冷熱のキオトのブログ

怪獣ソフビ大好き人間のブログです

ブレーザー所感

今年はわりと忙しく精神的余裕があまり無いのもあってかブレーザーの感想を1話ずつつぶやくこともできないので、ここでこれまでのブレーザーに対する全体的な所感を語りたいと思う。

全体として、怪獣中心の一話一話独立したそれぞれテイストが異なるお話は、コメディを挟みつつメッセージ性があり非常に面白い。特撮や軍事描写のクオリティも非常に精緻で見応えがある。DXアースガロンやウルトラ怪獣アドバンスなど、フィギュアのクオリティも高い(私は変身玩具は買わないのでそこらへんは疎いが)。

一方で、ブレーザーのしっかりした大人たちのドラマは、ニュージェネに慣れきった私のような視聴者からすると少々地味で琴線に触れるものがないのも事実。前作デッカーも地味と言われがちではあったが、少なくとも私は「スフィアバリアの現実へのリンク」や「若者の成長物語」といった要素には強く惹かれていた。ブレーザーの登場人物はみなしっかりしすぎて、ドラマにあまり引き込まれるものがないというのが現状である(とはいえ8話の教授を説得するテルアキなど、光るものも見えてきたが)。

またニュージェネは縦軸でウルトラマンそのものに迫ることが多いが、現状のブレーザーは縦軸要素が薄いので、ブレーザーが話にあまり関わってないように見える。現状のブレーザーは、

・ニュージェネのお約束であるタイプチェンジや歴代要素を廃している(直前SPや総集編を見て思ったが、こうなるとウルトラマンそのものに触れる機会は必然的に減る)

ブレーザーが変身者と対話しない

ブレーザーは基本的に戦闘のみでしか姿を現さない

・ゲント隊長を始めとした人間側もウルトラマンにさほど関心がなさそうに見える(唯一意識しているのは参謀長ぐらいか?)

これらの要素が相まってブレーザーそのものに焦点が当たる機会がなかなかない。これが物足りないと思う部分である。ゲントとの出会いなど謎を振りまく要素もあるが、それがある分余計に焦点が当たらないことが気になってしまうフシもある。

そもそもウルトラマンは怪獣退治するデウス・エクス・マキナ的存在だったので、ブレーザーに焦点が当たらないのはある意味原点回帰だという意見もあるだろう。だが、最初のウルトラマンにおいても、当初はあまりウルトラマンそのものに触れる話は多くなかったが、ザラブやメフィラスなどの会話や、『小さな英雄』におけるイデの苦悩などウルトラマンの存在ありきの話も出てきた。ウルトラマンは活躍するたびに、ドラマに絡んでいくものである。

とはいえブレーザーはまだ三分の一が終わった段階。ここまでで評価してしまうのも時期尚早であろう。これからブレーザーの謎や人間側の対応、それによるドラマが描かれていくのかもしれない。今後ブレーザーはどう話の中で存在感を示すことができるのか、気になるばかりだ。

 

 話が変わるが、玩具ではニジカガチのソフビがランキングで2位になるなど景気がいい話も聞こえる一方で、YouTubeの再生数は4話からガクッと落ちており、従来のニュージェネと変わらない水準になっている。クオリティの高さや1話の注目度の高さを考えると、少々寂しい数字である。これはYouTube、もしくはそれを取り巻く環境の変化によるものなのか、ブレーザーそのものの問題なのか…はっきりとした結論を出すことはできないが、この数字を見てブレーザーが多くの人(SNSで積極的に発言する人のみならず、あまり発信しないであろう層にも)に受けているのかどうか少々不安になることもある。

とはいえ再生数などは一時の数字であり、全体としての売上との相関があるかは不明瞭。そもそも制作者が再生数やバズリを狙って作品を作っているわけがなく、あくまでそれらは副次的なモノだ。IPの最終的な売上、実際の反響は決算書や報告書を見なけりゃわからないことである。いち視聴者はドンと構えて楽しめばいいというのが正しい態度なのだろう。ブレーザーに対する私の懸念が杞憂に終わり、のちに「こいつこんなこといってたぞー!」と突かれるような状況になれば幸いである。

ともかく、ブレーザーはここからが正念場だろう。ブレーザーが非常に拘って作られていることはよく見聞きしており、私もその魅力はよく感じる。そしてこれからどう作品を盛り上がっていくか、ドラマとしても特撮としても商品展開としても期待がかかる。これからブレーザーがどうなっていくか、そしてブレーザーが今後にどのような影響を与えるか。ブレーザーの制作陣への期待を込めたところで、この駄文を締める。